「この家はお前にやる」などと生前の故人から言われていたのに、いざ相続が始まると何の証拠も残っていないため困っている人も要るでしょう。「口約束だけで財産をもらえると思っていた」というケースは決して少なくないのです。

 

ここでは、相続における口約束の法的効力やトラブルを回避するための対応方法、そして生前対策について説明していきます

 

相続における「口約束」の法的効力は?

相続において、「口頭だけのやり取り」から発生した財産指定には、原則として法的な効力は認められていません。生前の被相続人から口頭で「あげる」と言われただけでは、他の相続人が納得しない限り法的には何の効力もないというのが現実です。

 

相続で特定の人に財産を与える「遺贈」や「分割方法の指定」を実現するには、正式な遺言書を作成して法的効力を持たせる必要があります

 

【例外】口約束でも効力が認められる可能性があるケース

法律上、以下のような補足資料を提示することにより、それで一定の条件を満たすことができれば、例外的に証拠として評価される可能性があるとされています。

 

  • LINE・メール・手紙などの文章でのやりとり
  • 録音・録画データ
  • 親族や第三者の証言
  • 財産管理を任されていた証明書類(通帳・印鑑・委任状など)

 

ただし、これら資料があったとしても「遺言の代わり」として法的効力を補完するのは難しく、最終的には協議や裁判で判断されることが多いです。

 

相続において口約束しかない場合の対応方法

相続を行ううえで、被相続人が口約束しか遺さなかった場合でも、次のような対応によりリスクを最小限に抑えることが可能です。

 

1】他の相続人と冷静に話し合う

遺産分割協議では、全員の合意があれば分割方法は自由です。ただし、生前の被相続人が口頭で遺産分割方法を示した証拠や経緯を丁寧に説明し、協力を得ることが重要です。その際、次の2つの要素が大切になってくるでしょう。

 

  • 他の相続人全員が、その口約束を認めて同意してくれる
  • 口約束が本当に存在したことを示す証拠(録音データ、メモ、日記など)がある

 

しかし実際には、他の相続人が「証拠があいまい」と反対するケースも多く、確実に実行される保証はないといえます。

 

【2】裁判所の調停を活用する

相続人同士の話し合いが難航した場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てることで、第三者の仲裁が受けられます。

 

【3】弁護士や司法書士に早めに相談する

口約束や証拠の内容をもとにした交渉・調停・審判について、行うべき対応に関する助言を専門家に求めるといいでしょう。

 

【生前対策】口約束トラブルを防ぐための相続対策

被相続人が生前に「この財産はお前に譲る」などと口頭で約束したとしても、口約束には法的効力がないことはすでにご説明しました。

 

では、生前にどんな相続対策を講じておけば、こうしたトラブルを防げるのでしょうか?ここでは、被相続人が生きているうちにできる主な3つの相続対策を紹介します。

 

【1】公正証書遺言を作成する

最も確実な方法が、公正証書遺言の作成です。公正証書遺言を作成手するメリットは次の通りです。

  • 公証役場で作成されるため法律上の不備がなく、相続トラブルの抑止力になる
  • 家庭裁判所の「検認」も不要
  • 専門家(弁護士・司法書士)の立ち会いで内容の精度も確保できる

公正証書遺言は、被相続人の意思を客観的に証明できる方法として、多くの人に推奨されています。

 

2】家族信託を利用する

高齢者が認知症になる前に、財産の管理や承継の仕組みを整えておきたい場合には「家族信託」も有効です。

  • 特定の財産を誰に・どう使ってもらうかを事前に決められる
  • 遺言だけではカバーしきれない生前の財産管理にも活用できる
  • 柔軟でオーダーメイドな仕組みが作れる

自分が亡くなった後の信託財産の使い道について、 「介護をしてくれた子に財産を残したい」などと指定することもできる点で、非常に柔軟性が高いといえます。

 

3】生前贈与を活用する

遺言や信託に加え、生きているうちに財産を一部贈与しておく方法(生前贈与)もあります。

  • 贈与税の非課税枠(年間110万円)や教育資金一括贈与などの特例も活用可能
  • 書面での贈与契約書を作成して証拠を残すことで、将来のトラブルを防ぎやすい

ただし、贈与税・相続税とのバランスを考慮して専門家のアドバイスを受けることが重要です。

 

生前対策は「言葉」ではなく「証拠」を残すことがカギ

被相続人の意志を尊重してもらうためには、必ず書面や法的な手続きを通じて意思を形に残しておくことが大切です。

  • 遺言書を作成する
  • 贈与契約書を残す
  • 家族信託で目的を明確にする

「生前の意思」が法的に機能するためには、証拠能力を伴う意思表示が必要だということを強く認識しておきましょう。

 

まとめ

相続においては、どれだけ本人の「気持ち」や「言葉」があったとしても、正式な遺言書や証拠がない限り、法的には何の保証にもなりません。大切な財産や想いを守るためには、必ず書面で残すことが重要です。

 

まだ口約束しかしていない方は、早めに家族や専門家と話し合い、後悔のない相続準備を行いましょう。

 

弊社では相続全般に係るサポートおよび相続と密接に結びつく生前対策サポートに注力しています。初回無料相談も実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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