「親の遺言で自分が遺言執行者として指定されていた

 

このようなとき、多くの方は戸惑うかもしれません。遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現するための手続きを行う重要な役目を負った人物です。相続人の確定から財産の管理・名義変更にいたるまで責任ある業務が課されます。

 

ここでは、遺言執行者が担う業務の具体例や、復任権を使って専門家に任せる方法などについて説明していきます

 

「遺言執行者」とは?その重要な役割

民法第1012条には、「遺言執行者は、遺言内容の実現のために、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の権利義務を持つ」旨が明記されています。つまり、遺言執行者は被相続人の死後、遺言書の内容を現実に実行する立場にあり、相続財産を管理しながら名義変更など各種手続きを進める大変重要な役割を担っているのです。

 

遺言執行者に託される主な業務

  • 相続人の確定(戸籍収集)
  • 遺言内容の通知(就任通知書と遺言書の写しを送付)
  • 財産の調査・目録作成
  • 遺言書に基づく財産の処分(名義変更、解約、引き渡しなど)
  • 業務完了の報告

 

遺言執行者が行う具体的な業務内容

遺言執行者は、遺言内容を確実に実現するためにいくつもの業務を行います。主な業務内容についてみていきましょう。

 

1.相続人の確定(戸籍収集)

相続関係を明らかにするため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集し、法定相続人を正確に確定させます。遺言書がある場合でも、遺留分を持つ相続人が誰なのかなどを把握しなければなりません。

 

2.遺言執行者就任通知書および遺言書写しの送付

相続人を確定したら、全員に「就任通知書」と「遺言書の写し」を送り、遺言執行者として活動を開始したことを通知します。民法1017条で「遺言執行者は任務を開始したとき、遺言内容を相続人に知らせる義務がある」と定められています。

 

3.財産調査と財産目録の作成

被相続人が所有していた不動産、預貯金、株式、債務などを洗い出し、財産目録を作成します。評価額や所在地などもまとめ、完成した目録はすべての相続人に送付します

 

4.遺言書に基づく財産処分(口座解約・名義変更など)

特定財産承継遺言で指定された預金や不動産について、遺言執行者が単独で預金口座の解約手続きや登記情報の変更を行えるケースがあります(民法1014条)。また、遺贈が含まれる場合も、遺言執行者がその財産を受遺者に渡すことが可能です。

 

5.業務完了の報告

全手続きを完了したら「遺言執行業務がすべて終了しました」という報告を相続人に送付します。これで遺言執行者としての任務は終了となります。

 

遺言執行者の役割を第三者に任せるための「復任権」について

復任権とは、遺言執行者としての業務を第三者に任せることをいいます。たとえば、遺言書で相続人の1人が遺言執行者に指定されたが、本人がその役目を果たせないと考えた場合、復任権を行使して遺言に詳しい専門家(行政書士や弁護士、司法書士など)に代理してもらうことができるものです。

 

ただし、遺言書が「いつ作成されたか」によって復任権の扱いが変わりますので十分注意しましょう。

  • 201971以降に作成された遺言】原則として遺言執行者は自己の責任で第三者に任務を行わせることができる
  • 2019630以前に作成された遺言】やむを得ない事由がないと復任は認められない

 

遺言書で「遺言執行者の復任権を認めない」などと記載されていた場合は遺言が優先され復任権は制限されます。この場合、やむを得ない事由」がある場合に限り復任権が認められています

【やむを得ない事由の例】

  • 遺言執行者が病気になった場合
  • 海外出張など長期不在により遺言執行が困難とされる場合
  • 遺言執行に際し専門的知識や経験を必要とし専門家のサポートが必要な場合 など

 

遺言執行者を辞任するときの手続き

遺言執行者が辞任するには、家庭裁判所の許可が必要です(民法1018条)。正当な理由があることを示し、許可が下りれば辞任が認められます。

 

全相続人への通知と管理権限の移行

辞任が許可されたら、相続人全員へ「遺言執行者の辞任」を通知し、管理していた財産を相続人に引き渡します。その後、新しい遺言執行者を立てる必要がある場合は、裁判所に選任を申し立てる流れです。

 

専門家を新たな遺言執行者として選任

遺言執行者の辞任後、あらためて行政書士や弁護士などを遺言執行者に選任すれば、そちらに業務を委任できます。これによって、相続人が行う手続き負担が大幅に軽減されるでしょう。

 

遺言執行者を専門家に依頼するメリット

遺言執行の業務では、戸籍の大量収集や財産の評価、金融機関・法務局での名義変更など膨大な手続きを行うことになります。遺言に詳しい専門家に依頼すれば、効率よく包括的に対応してもらえる点が大きなメリットだと言えそうです。

 

相続トラブルのリスクを減らせる

専門家が中立的立場から業務を進めるため、相続人同士の対立を最小限に抑えることが期待できます。法律的な根拠を示しながら手続きが行われる点で安心です。

 

財産評価や戸籍収集などワンストップで対応

遺言執行には多方面の知識(戸籍、登記、税務など)が必要です。行政書士や弁護士などがネットワークを活かし、必要な書類や証明をスムーズに取得してくれます

 

当行政書士法人における遺言執行者関連サービス

当行政書士法人の行政書士を遺言執行者としてあらかじめ指定していただくことも可能です。ただし、正式に受任するには事前の打ち合わせや業務範囲の合意が必要になります。

 

被相続人死亡後にご依頼いただく場合

すでに遺言者が亡くなっており、「新たに遺言執行者を選任したい」という場合は、家庭裁判所に選任申し立てを行う必要があります。弊社では、提携司法書士や弁護士と連携しながら手続きをサポートすることが可能です。

 

紛争状態の案件は提携弁護士の紹介も可能

遺産分割で争いが起きている場合は、弁護士の関与が必須となるケースもあります。紛争事案である場合は、提携弁護士をご紹介することでスムーズな解決を目指すことができるでしょう。

 

まとめ

自分が遺言執行者に指定されて困惑している場合、まずは遺言書の作成年月日や遺言内容を確認し、どのような対応が可能かを判断することが大切です。

 

当行政書士法人では、遺言執行者の業務受任や専門家との連携によるサポートなど、さまざまなケースに柔軟に対応しています。個別の状況に応じたアドバイスを行っていますので、ご不安な点があればぜひ無料相談をご利用ください。

 

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