遺言書における「付言事項」は、相続トラブルを防ぐための有力な手段です。遺言者の心情や財産分割の背景を伝えることで、相続人の理解を深め、誤解や争いを避けることができます。
本記事では、付言事項の役割やその書き方について詳しく解説します。
相続トラブル防止に役立つ「付言事項」
遺言書は、遺言者が希望する財産分割の方法を伝える重要な書類ですが、その内容だけでは相続人同士でトラブルが生じる可能性もあります。
例えば、特定の相続人に多くの財産を分けたい場合、その理由を記載しないと、不公平だと感じる相続人が争いを起こすことがあるかもしれません。
そこで遺言書の付言事項を活用し、遺言者の意図や感謝の気持ちを伝えることで、相続人同士の理解を促す一助になることが期待されます。
法定遺言事項と付言事項の違い
遺言書には、法的効力を持つ「法定遺言事項」と、効力を持たない「付言事項」があります。例えば、遺言者が長年介護してくれた次男に多くの財産を相続させたい理由を付言事項に記載することで、相続人間のトラブルを防ぐ効果があります。
法定遺言事項
- 財産分割方法、相続人の指定、未成年後見人の選任など、法的効力を持つ内容
付言事項
- 遺言者の心情や背景事情など、法的効力は持たないが、相続人への理解を促すための補足的なメッセージ
付言事項の記載例
付言事項の内容は、遺産分割の方法に応じて適切に書き換える必要があります。例えば、次男に多く相続させたい場合の記載例をご紹介します。
遺言内容の書き方:
「遺言者は、遺言者の所有する財産のうち〇〇を、遺言者の次男Bに相続させる」
「遺言者は、遺言者の所有する財産のうち3分の2を、遺言者の次男Bに相続させる」
付言事項の書き方:
「遺言者〇〇は妻〇〇に先立たれた後、長年1人で暮らしていました。重病を患い、介護が必要になった際、次男Bは遺言者の世話を長期的かつ献身的に行ってくれました。遺言者〇〇は、この深い感謝の気持ちを表すために、財産の3分の2を次男Bに相続させたいと希望します。長男Aも、この意図を理解し、遺留分侵害額請求を行うことなく、今後も兄弟仲良く助け合ってほしいと願います。」
付言事項を活用した円満な相続の実現
付言事項は、遺産分割の方法だけでは伝えきれない遺言者の思いを相続人に伝える重要な役割を果たします。たとえ法的効力はなくとも、遺言者の意図や感謝の気持ちを記すことで、相続人同士の理解が深まり、争いを未然に防ぐことが可能です。
まとめ
付言事項は、相続トラブルを避けるために有効な手段です。遺言書に付言事項を追加することで、相続人に遺言者の心情や事情を伝えることができ、円満な相続を実現するための助けになります。遺言書作成時には、専門家に相談し、付言事項を適切に活用することをおすすめします。










